2014年 04月 01日
春の日の攻防 |
自動ドア溝のほこりに相よりて
冬ごもる虫や命かなしも
昨日子どもたちと、桜見をしながら昼食を摂りました。皆が部屋に戻った後、入り口のあたりの泥を、小さな手箒で掃除しました。ついでにドアの溝のゴミを掻き出したら、親指くらいの量の、土ぼこりと、秋の枯葉の屑の中から、二匹虫が這い出てきました。黒いゴミ虫と、たぶんイエハンミョウ。
←ゴミムシ
おなじカブトムシの仲間ですが、雨風は防げるとはいえ、時々人の出入りするすステンレスの溝の中での冬篭りです。溝の中に戻ろうとして、突進してくるので二度、一メートルくらい払ったのですが、なお戻ろうとします。その帰巣本能は驚きです。3度目は払ってすぐにドアを閉めたら諦めたのか、小さな植え込みのある土の方に向かって、走っていきます。それを確認して私は中に入りました。
ほんの短い時間の虫との攻防でしたが、小さな虫のたくましくも、懸命な命の営みに圧倒されていました。検索すると成虫で冬を越し、四月に繁殖するらしいですから、三月の終りの日に叩き起こされたわけです。そろそろ冬眠から覚めてもよい時期でしたが。
※「や」は詠嘆の間投助詞。「かなしも」は、切なくいとおしい。
by hikari_1954h
| 2014-04-01 17:47
| 詩歌集(一部公開)